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生分解性プラスチック用新規可塑剤開発のお知らせ

2003年11月19日

以下の文章は発表当時のものです。現在は取扱を中止しております。

 

 当社は、生分解性プラスチック用に循環型資源である植物由来の原料を応用した新規な可塑剤を開発し、本格的な市場ワークを開始しましたのでお知らせいたします。

 今回開発した新規な生分解性の可塑剤、製品名「ラクトサイザー」(商標登録申請中)は、天然植物資源のロジン(松脂)を主原料にした「ラクトサイザーGP-2001」と、植物由来の発酵乳酸を主原料にした「ラクトサイザーGP-4001」の2品種で、生分解性プラスチックの主流になると見られるポリ乳酸に好適な設計となっております。

 ポリ乳酸は生分解性プラスチックとして多くの用途での利用が期待されていますが、状況によっては硬くて成形がしにくいということが用途拡大に対する課題となっております。プラスチックを柔軟で成形性の良いものとするには、可塑剤と呼ばれる添加剤を加えるのが一般的ですが、従来のプラスチック用の可塑剤では充分な性能が発揮されず生分解性も充分でないため、ポリ乳酸に適した生分解性の可塑剤が望まれておりました。

 当社の「ラクトサイザー」は、これまで長年にわたり取り組んできたロジン関連化学製品における技術の蓄積と合成高分子化学におけるノウハウの融合により開発した新規な生分解性可塑剤であり、ポリ乳酸に代表される環境に配慮した資源循環型の生分解性プラスチックの用途拡大を実現するものとして期待されております。「ラクトサイザー」は、ポリ乳酸に10~20%添加することで適度な柔軟性を与えて使い勝手を良くし、透明性の向上も可能となっております。また、可塑剤としての耐熱性にも優れ、広い温度範囲で長期間安定した性能を発揮いたします。なお、ロジン系の「ラクトサイザーGP-2001」は、粘着・接着剤用の生分解性タッキファイヤー(粘着付与剤)としても優れた効果が期待されます。

 現在「ラクトサイザー」は、ポリ乳酸などの生分解性プラスチックに添加されて、包装フィルム、農業用ハウスフィルム、農業用マルチフィルム、コンポストフィルム、繊維、ロープなどの用途で実用化検討が進められております。今後の国内の生分解性プラスチックの需要は2005年には5万トン、2010年には10万トンになると見込んでおります。「ラクトサイザー」は、既にパイロット生産での供給体制に入っており、2005年には数百トンの生産・販売を目指し、本格的な拡販を進めてまいります。

 

以 上