創業からの歩み

近代日本の夜明けとともに荒川政七商店を創業

近代日本の夜明けとともに荒川政七商店を創業 明治9年(1876)、近代日本の夜明けからまだ日も浅いころ、大阪伏見町2丁目の一角に「玉屋」の屋号をかかげ生薬商を営んできた初代荒川政七は、商域・販路拡大をにらみロジン(松やに)・テレビン油を商う荒川政七商店を創業しました。これが、その後139年に及ぶ永きにわたりロジン(松やに)を原料とする各種誘導体メーカーとして、独自の技術を確立した当社の原点です。

 わが国に化学工業が発展する以前の大正3年(1914)には、大阪鴫野にロジン関連製品を製造する工場を稼働させるなど、パインケミカルズ(松脂関連化学製品)分野でパイオニア的地位を確立しました。昭和3年(1928)、塗料の工業用原料となる「エステルガム」の製造販売を開始し、以後粘着・接着剤、チューインガム、塗料その他の多種多様な用途分野を開発してきました。

 昭和12年(1937)に、ロジン変性フェノール樹脂の開発に成功し「タマノル」の製品名で発売しました。主な用途として印刷インキ用のワニスや、塗料用、その他電気絶縁ワニスなどに使用され、技術改良を重ねながら同系列の新製品を継続的に開発していくことになりました。

ロジンとは...

ロジンとは... 松に含まれている樹脂酸を精製して得られる天然樹脂で、一般にはボールの滑り止めとして使用される野球のロージンバックで知られており、工業用としては紙のにじみ止め薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂など、広範な分野で使用されています。国内で消費されるロジンは、大半が中国などから輸入されていますが、当社は日本の輸入量全体の約5割を占める国内最大のロジン加工メーカーです。

「サイズパイン」の製造販売で製紙業界に新風

 昭和20年(1945)、太平洋戦争の敗戦により多くの資産を失うなど、痛手も被りましたが、戦災を免れた今福工場(現、大阪工場)を軸に、戦後再スタートを切りました。

 昭和29年(1954)には、インキのにじみ止めに用いる製紙用サイズ剤として、「サイズパイン」を開発製造し、製紙業界に新風を吹き込みました。それまでのサイズ剤は、製紙会社がロジンを購入し、自社でサイズ剤を製造して使用するのが一般的でした。これに対し、当社で鹸化し、水希釈性が良く使いやすいペースト状サイズ剤を製造販売することで、製紙会社でのサイズ剤製造工程を取り除くことができるメリットに絶大な支持を得ました。

「サイズパイン」の製造販売で製紙業界に新風 昭和30年代半ばの製紙業界は、紙の消費量増大に対応しパルプ原料を針葉樹から、繊維が短小で紙力が低下する広葉樹に転換しました。当社は昭和35年(1960)に石化製品のポリアクリルアミド系紙力増強剤「ポリストロン」を開発しました。その後も、製紙業界のニーズに対応した製品を次々に開発し、また製紙会社に直結する形で全国各地に生産、販売拠点を展開し、当社の事業基盤の一翼を担う事業部門に育ちました。

水素化石油樹脂「アルコン」の誕生

水素化石油樹脂「アルコン」の誕生 昭和36年(1961)、合成ゴム重合用乳化剤「ロンヂス」の製造プラントが完成し、おりからの"クルマ社会"到来にともなう合成ゴム産業の急速な伸長とともに、国内はもとより海外市場にも大きく伸展しました。

 昭和30年代半ばから出回りはじめた石油樹脂を水素化することにより、無色透明な樹脂ができ、昭和39年(1964)に世界初の水素化石油樹脂「アルコン」を開発しました。国内外で良好な評価が得られたことから、同42年(1967)に水素化の高度な専門技術と設備を有する森田高圧化学株式会社(現、高圧化学工業株式会社)をグループに加え、さらに同45年(1970)に岡山県倉敷市水島コンビナート内に水島工場を建設し、本格生産を開始しました。その後、粘着・接着剤用樹脂のほか、プラスチック改質用途にも積極的にワークし、「アルコン」は世界的ブランドに成長しました。

グローバルなネットワーク展開

グローバルなネットワーク展開 昭和42年(1967)、当社最初の海外進出として、台湾・基隆市に合弁会社天立化学工業股份有限公司(現、台湾荒川化学工業股份有限公司)を設立し、ロジン関連製品の生産を開始しました。以来、昭和57年(1982)に米国、平成7年(1995)に中国・梧州、香港、タイ、翌平成8年に中国・厦門に現地法人を設立しました。平成10年(1998)にはダウ・ケミカル社へ「アルコン」製造技術のライセンス供与をおこない、合弁でドイツに販売会社を設立しました。平成16年(2004)に中国・南通、梧州、さらに平成20年(2008)には中国・梧州において3社目となる現地法人を設立しました。また、平成22年(2010)にはダウ・ケミカル社の「アルコン」事業を取得、平成23年(2011)には中国・梧州の現地法人3社を統合し、中国・上海に販売会社を設立するなど、積極的に事業のグローバル化を進めています。

つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNERとして

 ロジンで培った技術をもとに、石油化学分野でも事業領域を拡大しています。昭和62年(1987)、機能性コーティング剤として光硬化型樹脂「ビームセット」を商品化し、ディスプレイ分野をはじめとした広範な分野に用途展開しています。また、地球環境問題のうねりが高まるのに先駆け、平成2年(1990)には、フロンを代替する精密電子部品洗浄剤「パインアルファ」の開発に成功しました。ロジンそのものの研究でも、長年の夢であったロジンの無色・無臭化に成功し、昭和62年(1987)に超淡色ロジン「パインクリスタル」を開発し、電子材料分野、医療分野に展開しています。

つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNERとして 平成5年(1993)には、永年にわたり蓄積してきた技術を活かし、エレクトロニクスなど今後成長が期待される分野での新製品開発を視野にいれて、筑波研究所を開設しました。平成15年(2003)には日本ペルノックス株式会社(現、ペルノックス株式会社)をグループに加え、電子材料関連分野における事業の拡充を進めました。また、平成21年(2009)には台湾のタイマイド・テック社と共同でハイブリッドポリイミドフィルム「ポミラン」を開発し、工業化しました。

 当社は平成11年(1999)11月に大阪証券取引所市場第二部に上場、平成12年(2000)10月に東京証券取引所市場第二部に上場し、平成15年(2003)3月には東京証券取引所・大阪証券取引所市場第一部へ上場いたしました。当社の歴史は、ロジンへのこだわりを背景に、お客様のニーズに立脚した製品開発の歴史です。“つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNER”として、これからもチャレンジを続けていきたいと考えています。